Expo SDK 55 Betaを見据えたEAS Update運用ガイド
New Architecture前提でOTA更新を安全に回す実践手順
はじめに
Expoでアプリ運用を続けると、必ず悩むのが「どこまでをOTAで出して、どこからを再ビルドにするか」です。
この記事では、2026年2月15日時点の公式情報をベースに、SDK 55 Beta移行を見据えたEAS Update運用を整理します。
結論
runtimeVersionの方針を先に決める(appVersionかfingerprint)productionとstagingのチャンネルを分ける- ネイティブ依存の変更時はOTAではなく新規ビルドを作る
- SDK 55系ではNew Architecture固定なので、移行前に依存ライブラリ互換性を確認する
まず押さえる前提
2026年2月15日時点では、Expo公式Changelog上で SDK 55はBeta公開(2026年1月22日) です。
またExpo公式ドキュメントでは、SDK 55以降はNew Architectureのみで動作し、Legacy Architectureは使えない前提になっています。
「今すぐ本番でSDK 55に固定する」より、まずはSDK 54運用を安定させたうえで、55対応を進めるのが安全です。
手順1: runtimeVersionポリシーを決める
EAS Updateは、runtimeVersion が一致するビルドにしか配信されません。
つまり、ここを曖昧にすると「更新が届かない」「届いたがネイティブ不整合」が起きやすくなります。
実運用では次のどちらかが扱いやすいです。
appVersion: リリース単位でバージョン管理したい場合に向くfingerprint: ネイティブ互換性の事故をより避けたい場合に向く
SDKアップデート時に依存関係を揃える流れは、
Expo SDK を アップデートした時にライブラリの互換性を合わせる
も参考になります。
手順2: チャンネル設計を固定する
EAS Updateは「チャンネル」と「ブランチ」の対応で配信先を切り替えます。
まずはシンプルに次の2チャンネルで十分です。
production: 本番ユーザー向けstaging: 検証端末向け
公開時は以下のようにチャンネルを明示します。
eas update --channel production --message "fix: crash on settings screen"
Expo Go / 開発端末の接続で詰まる場合は、
同じ Wi-Fi でも Expo Go でテストできないときの対処方法
もあわせて確認してください。
手順3: OTAでやる変更と、ビルドし直す変更を分ける
EAS Updateで向いているのは、JS/スタイル/画像などの非ネイティブ変更です。
一方、以下は原則として新規ビルドが必要です。
- ネイティブコードの変更
- SDKバージョン更新
- 権限追加などストア審査影響の大きい変更
公開フロー全体で迷う場合は、
今からアプリ開発を始めるならExpoがおすすめな5つの理由
のEAS運用パートも先に読むと全体像を掴みやすいです。
手順4: SDK 55 Beta移行前の確認
SDK 55系ではNew Architecture前提なので、以下を先に確認します。
newArchEnabled: false前提の設定や分岐が残っていないか- 主要ライブラリがNew Architectureで動作実績があるか
- iOS/Android両方でstagingチャンネルに更新が届くか
iOSネイティブ設定で詰まりやすい場合は、
Expo+Firebaseで出る iOS ビルドエラーをexpo-build-propertiesで解決
が実践的です。
よくある詰まりどころ
- 依存関係のバージョン不整合
runtimeVersionの更新漏れで想定外の配信になる- productionとstagingの切り分けが曖昧で検証漏れが起きる
- 「OTAで直せる」と思った変更が実はネイティブ変更だった
まとめ
SDK 55 Beta時点では、まず運用設計を固めるのが最優先です。
runtimeVersionのルールを明文化- チャンネル運用を固定
- OTA対象/非対象の境界をチームで共有
この3点を先に作っておけば、SDK 55正式移行後も事故を減らして更新サイクルを回せます。